職人マツナガ通信

11月17日

AMBROSIO フォーミュラ20クロノ。
340gの軽量チューブラーリム、しかも28ホール。
大阪のNさんの超軽量級奥様がヒルクライム専用として使いたいということで組み上
げたホィールです。
どうも、超軽量級の奥様でも柔らかく感じるようであまり出動回数がないので、もう
少し剛性をあげてご主人が使いたいとのご希望で戻ってきました。
いくら強く出来ても60kg半ばのご主人にはチトつらいのではとおもいましたが、
Nさんはボクのつくったフレームも組んだホィールを乗ってい頂いていて、
自分の実用にあったものではないタイプの違ったホィールを楽しみたいという主旨も
あるようなのでお引き受け致しました。
ご本に曰く、カチカチのホィールではなく、踏んだときに変形してすばやく戻ってき
てくれるホィール。
こういうホィールやタイヤの自転車遊びは、遊びとしてはかなり上級で、これを楽し
めると一層遊びの世界が広がりますね。
自転車の部品の世界も、世の流れのように、かたけりゃいい、はやけりゃういい、無
駄がなけりゃいいというような合理至上主義のように流れているようなのでこういう
遊びをされる方が増えてくれるのは自転車やとしては嬉しいことです。

さて、まずはホィールのテンション、振れ具合を確認。
このホィールはスタッフヨシダに作業を任せてボクが最終確認しておだしたもの。
スポークテンション(張力)も奥様用としては十分ですが、もう少しきつく出来る余
地はありました。
でも、この手の軽量リムはアルミの肉厚が薄いのでいい気になって張っていくとニッ
プルホールのところが浮き上がってきてしまうので要注意です。
若い頃いい気になってニップルをまわしていって気がついたらリムの内側がぼこぼこ
だったなんて苦い経験があります。
振れも最大0.1mmと上々、おもしろかったのはホィールセンターの数値です。
1/100mmのダイヤルゲージがついた振れとり台にのせて左右のリム面の位置から計算
してだすのですが、なんと0.01mm、やるじゃないかおとぼけくん。
最初の段階でテンションがそこそこあがっているので、少しくらいテンションをあげ
たくらいではご要望に添えそうにないので久々にスポーク結線作業をすることにしま
した。
スポークの交点を針金でしばりハンダで固定するのです。
ホィールの剛性を上げるために昔はよくやったのですがね。
ホィールのスポーク交点すべてに細い針金を巻いてはハンダをおとしていくという地
味な作業を繰り返します。
さて、できあがりました、ダンシングではぐいぐいいくにはちょっとものたりないで
すが、シッティングでクルクルいくのでしたらご要望にピッタリに仕上がっていると
思うんですがね。
乗ったら感想をお聞かせ下さいねNさん。
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