職人マツナガ通信

9月2日

ヒラモトさん、治具にあがります。
まずは治具を図面通りにせっとします。
1年近くかけて作ってきた図面、いろいろな事が書き込まれています。
じっくり見直して作業開始です。
治具がセットできたらラグ部をロー付け(溶接)していきます。前三角はいつもの通りですので問題ありませんが、バックは十数年ぶりの作業となります。あれ、これ治具がいるなと思い当たる作業が発生して、作るかと思ったとき、ハッと以前に作ってためてある自家製工具類の引き出しをひっくりかえすと、ありました。十数年前につくったものが。いまつくろうとおもったものと全くおなじものでした。ニンゲン発想の回路はそうそう変わらないのですね。
今回の製作は、カーボンチューブをすべて外かぶせのスチールラグを削りだしでつくりカーボンチューブをつなぐという基本中の基本の作りです。
最近はリアパートはフレーム材料屋さんが用意してくれたものを加工する事が多いのですが今回は仕様上こうなりました。
作業をしていて、自分でいうのもなんですがホントに手間がかかります。
どんな些細な作業も、あとでとか、はしょると最後でしっぺ返しをくっておもったものはできません。
とにかく、じっくり、あせらず、目の前の作業をひとつひとつを確実にこなしていくしかありません、安易な近道はないんですよね。
作業していて、これが自分の仕事の原点だなといことを再認識しました。
忙しいといろいろな事に目がいってしまい、とかく方向を見失いがちになりますが、この作業をしているうちは大丈夫でしょう。
愚直で要領わるかいもしれませんが、三十年近くこの仕事を継続できてきた自分のやり方ですね。

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