職人マツナガ通信

7月7日

木リム。
イタリアでハンドメイドされている木リムを使ってのホィール組です。
職人が何枚かの木を張り合わせてまんまるにしているもので、
後を継ぐ職人がいるとか、いなとか。
いつかは途絶えてしまうものかもしれません。
もちろん実用にもお勧めですが、
自転車遊び人として、
コレクションの一つとしてもっているのもお勧めです。
自分も資料用としてもってます。

これをバラの状態から組み上げます。
木という天然素材なので、
一本一本できあがった状態にばらつきがありますので、
アルミリムのようにはいきません。
会話するように、ひっぱたり、緩めたり、踏んだりを繰り返して作業をします。
ホィールを踏むといのも、やたらと踏む訳ではありません。
ツボを押さえて踏んでいきます。
「ここ?」
”そうそう、そこそこ”
「ここは?」
”いや~ん、そこはダメ”
てな感じなのです。
また、木リムは完璧を求めないというのも重要です。
アルミのように均質な素材ではないので、
ニップルを均等にしめつければ、まっすぐになるというものではないのです。
この辺りの癖を理解して、どうしても振れがとれないミクロ的な部分は、深追いせず、

マクロ的に振れをとっていきます。
踏んでは、振れとり台のせて振れを取り、
また踏んで、振れとり台にのせるというのを、
何回目かをわからなくなるくらい繰り返すと、
ふしぎと踏んでも、振れなくなります。
そこでできあがりとなります。
この組み方でやれば、
木リムでもそうそう振れはでなくなります。