職人マツナガ通信

3月2日

リム交換。
穴に落ちて凹んでしまったリムの交換作業です。
これも、優雅で贅沢な作業と思います。
64本のスポークを全部抜き去り、
ホィールをバラバラにして、またスポークを一本一本通して組み上げて、
センターをみながら、スポーク張力をはっていく。
最終的に、体重大人がガンガン乗っても振れにくいホィールに仕上げます。
かかった時間をまともに工賃ののせてしまうと、
とんでもない作業工賃となってしまうので、
如何に作業時間を短くできるかが、腕となり、生業とできるかできなかのポイントとなってきます。
できたとしても、丸一日かかっていては、仕事としては成り立たないですよね。
ホィール組作業も下ごしらえが重要になってきます。
まず精確なスポーク寸法を出す。これが間違っていると、
組かけたホィールをまた、ばらさなければなりません。
次が仮組です。スポークをハブとリムに通してホィールのカタチになったところで、
振れとりだいにのせる前に、64本のニップルを均等に軽くスポークがはるくらいに回していきます。
スポークのネジ山や、ニップルを回す回転数で均一性をだしていきます。
この仮組作業がしっかりできていると、
振れとり台にのせて、センターを出していく作業の効率がグンと違ってきます。
これは勘でやる作業なので、数をこなすしかないでしょうね。
仮組ができたら、SBTMでは、0.1mmまで計測できるマイクロメータ付きの、
振れとりだいと特製ホィールしごき台でしっかり組み上げていきます。
以前にも書いたことがありますが、
このホィール組作業には、忍耐、緻密、迅速、丁寧、慎重と自転車屋として身につけたほうがよい特性がすべて入っている気がします。