職人マツナガ通信

6月12日

驟雨の思い出。
ライド中にわか雨に降られるといつも思い出す光景があります。
このHPにある、「アメリカ放浪記」でアメリカにいたときです。
生まれて初めて乗る飛行機で、ロサンゼルスにおりて、
先輩だった高橋松吉さんが出場するロサンジェルスオリンピックロードレースを応援した後、
一人で国内線にのって、東海岸のフィラデルフィアに降り立ち、
バスをのりつぎ、アレンタウンという街のホテルに落ち着きました。
ここから目指すフレーム工房まで、確か14~5kmと記憶するのですが、
持って行ったロードレーサーで毎日仕事を観に通ったのです。
いつものように走っていると、突然の雨。
それもかなりの大雨。
道路脇の大きな木の下に逃げ込み雨宿りです。
ただ、かなりの雨だったのであまり雨宿りの効果はなく、びしょ濡れに。
しばらくそこで立っていると、
少し離れたところにある一軒家から、こちらに向かっておいでおいでをしてくれている人を発見。
おそらく、家の軒先で雨宿りをしていいよ、というお誘いだったのでしょう。
でも、いけなかったです。
東洋人などめったにみないような田舎町で、
自分のような日本人がはいっていたら、当然びっくりしてしまうでしょう。
そんなことで相手を不安にさせてしまうことを思うと、どうしてもいけなかったです。

広い一本道、ぽつんとある一軒家、暗い空に大雨、向こうで手を振ってくれる人。
にわか雨に降られると、この光景をいつも思い出します。
三十年前のことで相当歪曲されてしまっているとは思うのですが。