職人マツナガ通信

6月13日

落とし穴。
振れとり作業でお受けした、
カーボンクリンチャーホィール。
オーナーの見識では、振れが出る頻度が多すぎるとのこと。
カーボンホィールとはいえ、バランスよくしっかりした張力でスポークが張ってあれば、

そうそう振れがでることはありません。
外見は割れた様子もなく異常なし。
使用距離は5000km位。
原因と思われる事象に思い当たる節はなく。
とりあえず、ダイヤルゲージ付き振れ取り台にのせて振れを計測。
最大振れ0.50mm。
振れてはいますが、決して大きいとはいえない振れ。
オーナーのお話を聞くかがり、こんな程度のものではないはず。
まずは、振れ取り作業で手を入れてみようと、
ホィールのセンターを計測をするために、
反転させてダイヤルゲージに当ててみると、
なんと最大振れ1.20mm、これはもう異常値です。
非フリー側振れ幅0.50mm、
フリー側振れ幅1.20mm。
これで原因がわかりました。
これはホィールの振れではなく、
リム端面の変形だったのですね。
それも片側だけ。
変形の原因は、おそらくブレーキング時の発熱によるものと思われます。
ただし、通常は両サイド変形するの普通。
なんで片側だけ変形したのかは、まか不思議。
自転車稼業三十数年、まだ、まだ経験することがつきることはありません。