職人マツナガ通信

2002年 3月14日

今日も、助っ人フジシタさんの力を借りて、ボクはフレームの製作作業に勤しむ。
 
ボクのつくるオーダーフレームは、剛性(フレームのしなり強さ)を加減できると説明してますが、じゃあ、具体的にどういうようにするとのと言うとなかなか説明が難しいです。
特に一通りではなく、いろんな要素を組みあせて味をだしますので。
そんななかの一つを今日作業中に伝えたいとおもいました。
 
カーボンチューブを接着でつなげるためのつなぎ手を、合金鋼(クロモリ)を溶接(ロー付け)してつくるのですが、このロー付けをするときに、つなぎ手の根本の溶接材(ロー)の盛りを、オーナーの顔(体重や乗り方)を思い浮かべながら調節していきます。
あ~、あのヒト体重・・kgだから、超てんこ盛りにしようとか、このヒトは、体重軽いし、重いギャ踏まないから、超極薄でいこうとか。
こんな小さな事を積み重ねで、最終的にオーナーにあった、強さのフレームに仕上げていくのです。
作り手がオーナーの顔浮かべながら、ものをつくっていくシゴトって、今の世の中少なくなってきいるようですね。
 
昔は仕立屋さんとかも、直接注文受けたヒトが、生地選びから裁断、縫いつけまでやっていたと思うのですが。
今はオーダーといっても、受付窓口と作り手が完全に別れてしまって、オーダーシートに従ってシステマチックにものがつくられていくデジタルタイプ。
数はこなせないし、採算性はあまりよろしくないけど、ボクはこのようなアナログチックスタイル好きです、まさに家内制手工業。