職人マツナガ通信

7月15日

神奈川のSさんのプロジェクトM製作開始です!
Sさんは根っからのトライアスリートです。
ロングディスタンストライアスロンをメインに活動をされています。
社会人として仕事をしながらの挑戦、ご立派!
今回は三台目のプロジェクトMご注文となります。
2003年からのなが~いお付き合い。
三台目の今回は8月に生まれる予定のお子さんの誕生記念もかねてのオーダーです。
しっかり、気張りまっせ!
まずは設計です。
自分で作ったプログラムをつかって設計します。
ボクがフレームビルダーの仕事を始めた四十年前は、まだパソコンとよばれるパーソナルコンピュータがなかったです。
ボクが修業をさせてもらったアマンダスポーツでは、
師匠の千葉さんが治具の上で自由に動かせる前三角のオリジナルフレームをつかって、実際のチューブカット長さとかを測っていました。
当時ではじめた数式記憶電卓をつかって、なんとか図面を書かずに計算上で設計ができないか、っと考えました。
そこで、紙にフレームの形をかいて、かなりの時間を使って三角関数を駆使してなんとか必要な数字を出すことができるようになりました。
ボクがイタリアで仕事したとき,当時ボクが行った工房では、はじめてのフレームは図面をかいてフレームをつくっていました。
ボクは数式記憶電卓で数字をはじき出すと、イタリア人職人は、はじめは全く信用せずに、疑っていましたっけ。
その後。パソコンが出て、表計算ソフトがでてきて、それに移行。
都度都度改良をかさねて、トレール値がでるようにしたり、トップチューブが前上がり、前下がりの時の寸法もだせるようにしていきました。
今では、CADがあたりまえのようにつかわれて、フレーム製作ソフトもお金を払うと自由に使えるようになったみたいです。
自分の場合は、かなり苦労をしましたが、一からつくったので、フレームの構造がよくわかりよかったです。
さてSさん二台目からの変更箇所はなし。
フロントフォークの寸法が若干違うので、そこを変更していきます。
リムブレーキかディスクブレーキかなやまれましたが、
今回は現在使用中の電動Di2のパーツをそのまま生かすということで、リムブレーキでいくことに。
図面でき上りです。