職人マツナガ通信

6月4日

思いは通じる。
レストアでお預かりしたデュラエース8スピードコンポで組まれたバイク。
8スピードのデュラというと二十年前くらいのものになるのでしょうか。
順調に作業が進み、
最後の全体チェックで、それも最後のチェックポイントで、
リアディレラーのプーリー止めネジの受け側のプレートのネジがバカになっているのが発覚しました。
これを放っておくと、走行中プーリーが吹っ飛び惨事になりかねないので交換することに。
シマノのスモールパーツカタログにはすでに、このリアメカの型番はなく、
シマノサービスセンターにといわせてたところ、
やはりすでにすべて終了というつれないお返事。
食い下がり、同規格の商品が現行モデルでないかと尋ねましたが、
同じ8スピードでも、現行のものとは歯数が違うのでプーリー間の距離が違うので使えないという、
またまたつれないお返事。
さらに、食い下がり、何とかならいの、と最後は泣きつきましたが、
あきらめるよりほかないですね、とまたまたつれないお返事。
リアメカそのもののを変えれば何とかなるかもしれませんが、
ボクが何でこんなに修理することに執着しているかというと。
オーナーUさん、このバイクをピカピカにして乗っておかれるのですね。
お持ち込み頂いたときも、レストアが必要有るの? というくらい綺麗な状態でした。

それも、しっかり乗っていてです。
それだけ、思い入れのあるものと感じたので、何とかなおして差し上げたい。
最後の手段で、ダメもとでボクの個人用ジャンクボックスの中を同じものが無いかひっくり返してみました。
さすがに、吝嗇な自分も8sのリアメカはもうないだろうとな、と半分諦め気分で。
それが、ぬわぁんと、ありました、それも全く同型の7402のものが、驚きです。
おそらく、Uさんの思い入れと、ボクの思いと、パーツ自身のもっと使って欲しいという思いが合致したのでしょう。
というわけで、無事に再生されました、これからも末永くお使いください。
最近、子供と一緒にトイストリーを観ることが多く、どうも、ものへの感情移入が多くなったような、
レベルは園児レベルか・・・・・・・。