職人マツナガ通信

イタリア就職記 (11)

結局この日は、K氏現れず、ボクも雰囲気的に、まだ具体的な話をするのはまずいなと思ったので、挨拶程度の会話をしてわかれました。
K氏は約束より一日遅れてアフリカから飛んできてくれたと記憶します。

K氏のくるまでの時間は、とりあえず、P氏に持ってきたカーボンフレームを見せながら、いろいろ自転車の話をしたり、彼の工房をみせてもらっていました。
そうしておくれてきたK氏とは、P氏の工房で落ち合い結局なにもうちあわせできないまま話しが進むことに。

ボクとK氏とP氏で彼の事務所で、さていよいよ核心にせまるかと思っていたら、なにやら、到着したばかりのK氏に、「彼(ボクの事)は何し来たんだ」と聞いている。

????????。

何と、K氏はP氏にボクのことはまだ何も話していなかったのだ。
もう、こうなったら出たとこ勝負しかない、こういう話は、言葉の問題もあり、まわりくどいいいかたでは真意がつたわらないので、ずばり、
「ボクはあなたの工房で仕事がしたいのです」。
と今度は、P氏が「ギョ」という顔をした。

こんな感じで昼から始まった交渉は夜まで続き、一緒に夕食をとったあといよいよ大詰めがきた。