職人マツナガ通信

11月6日

手組ホィールⅡ。
仮組の段階で重要なことは、
振れ取り台にのせる前に、ある程度ニップルを均等にしめて、スポークが少し張られた状態までにすることです。
これは、ニップルを回すとき、一回、二回と数えて、同じ数だけニップルを回していきます。
この仮組の状態がよいと、本番の振れ取り作業時間が大分短縮されます。
仮組が終わったら、振れ取り台にのせます。
1/100mmのダイヤルゲージ付の振れ取り台です。
これももう、二十五年つかっていますかね。
確かこの振れ取り台は、自転車研究所が販売していたと記憶します。
それを買って、もともとついていた大雑把なゲージを、
自作で1/00mmダイヤルゲージをとりつけました。
多分こんな鋳物のすごい振れ取り台は、今はないでしょうね。
先ずは縦振れからとっていきます。
リミットは0.2mm以内です。
ある程度縦ぶれがとれて、スポークテンションが上がったら、
一度振れ取り台から下ろして、自作の車輪踏み台にホィールを乗せて、車輪に体重をかけてしごきます。
こすると、ニップルやネジの引っかかりがとれます。
こうして振れ取り台にのせて、次はホィールセンターをだします。
車輪の右側、左側それぞれのダイヤルゲージの数字をよみとり、足して二で割るとその数字がセンターとなります。
この振れ取り台のいいのは、センターゲージが不要なところですね。
センターを目視しながら振れがとれます。
こうやって、縦,横、0.2mm以内はいってきたら、また振れ取り台から外して、踏み台へのせて踏みます。
そうして振れ取り台にのせると、また幾分振れがでているので、さらに振れをとっていきます。
この振れ取り→踏み台→振れ取りを何回か繰り返していくと、
ある時、踏み台から振れ取り台にのせてゲージを見ても、針が振れなくなります。
そして、テンションゲージでスポーク張力を確認して、OKならできあがりとなります。
まさにその名の通り、手組ホィール、手作業の塊です。
今回のホィール組み上がりで実測してみると、
フロント:630g
リア:750g
合計:1380g(クイック含まず)
という、結構軽くできました。
Nさん、これでクリテリウムがんがん走って下さい!

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