職人マツナガ通信

3月11日

フレーム製作を開始したK玉女史から、あついラブコールもらいました。

”いよいよですね。設計に時間をかけていただいているようで
ありがたいね~と夫と二人でニヤけています。
待っている時間は長くても片思い中の恋愛気分で、あれこれ想像するのも
楽しいです。”

恋愛気分ですね、つきあってガッカリさせないようしつけます。
K玉女史の設計になぜ手こずったかというと、
身長154cmのライダーに27インチのホィールをマッチングさせるということなん
ですね。
これが26インチだと、もっと楽に設計でき、クッキリハッキリとした長めのステム
を使えるようにもできます。
じゃ、なぜ、26インチにしないの、といわれますと。
この27インチという直径がどうやら人間の操作感覚にあっているらしいのです。
だいぶ前、ボクがアマンダスポーツで修行中の頃、
ホィールの慣性について話題になり、
人力がエンジンの自転車なら、慣性は小さければ小さいほどいいじゃな、
ということになりボク自身24インチロード、26インチロードとつくって乗ってみ
ました。

24インチロード
メチャクチャ加速がいいです。でもその分減速もはやいので、常に踏みっぱなしの走
りにむいています。
この減速が早いということはディスホィールを使うことで解消はできましたが、
ハンドルの操縦性はとても敏感で、フレーム設計や太めのタイヤをはくことでかなり
安定はさせましたが、
27インチに比べるとどうしても劣ってしまいました。
アマンダにいた当時24インチロードがはやり(アマンダだけかな)、かなりつくり
ましたね。
最近は、ギャやタイヤの入手の問題などであまり見なくなってしまいましたが、
ヒルクライムオンリー車だったら結構おもしろい思います。

26インチロード
こちらは1インチの違いということで慣性の有利性はあまり感じられませんでした。
ただし、ボクのような身長(165cm)でもヘッドチューブが長く、ステムも長い
ものを使えるように設計できるので見た目にバランスよくつくれるのがよかったです
かね。
操縦性は24インチよりはよかったですがやはり27インチに比べると劣っていまし
た。

こんな自分の体験から27インチってすげえ数字なんだと実感しました。
千葉さんとの会話で、ヨーロッパでもなぜ27インチが主流になったのか、だれがこ
の径を決めたのかはハッキリした文献はないようでした。
昔の自転車をみてみると、当然27インチより大きいホィールのものもあったようで
す。
多分大柄な人の多いオランダやドイツあたりだったら28インチや29インチが主流
になってもおかしくないと思うんですが。
ちなみに、千葉さんにみせてもらったのですが100年くらい前の文献にディス
ホィールがのってました。
それもちゃんとエアロダイナミックをうたっているんですよね。
おそらくこれ木の円盤だったんで重くて実用的でなくたちき消えてしまったのでしょ
うが、すでにその当時からディスホィールのアイデアはあったんですね。
その他にも、シートチューブがない自転車やシャフトドライブの自転車など、
昨今あたらしいといわるようなデザインの物がすでにつくられていたようです。

話がそれてしまいましたが、こんな理由でK玉女史のホィールは700Cになりまし
た。
脚の長い彼氏は好きですか?