職人マツナガ通信

7月5日

バイクドック。
人間ドックがあるのだらから、バイクドックがあってもいい。
昨日書いた整備点検ですが、
書いていて、これって人間ドックとおなじだよな、などと思いつつ浮かんだ言葉です、”

”バイクドッグ”
年に一回のバイクドックをうけましょう。
いいかもしれませんね。
偶然にも今読んでいる本が、
”大往生したけりゃ医療とかかわるな ”
というもので、老齢になったら、下手に人間ドックで検査して悪いとこみつけるよりも、

知らないでおいて、天寿を全うするほうがしあわせではないか、というもの。
人間を自転車におきかえて、考えてみましたが、
バイクに関しては、知らないでよいということはないようです。

毎日、毎日、いろいろなバイクをみさせてもらいますが、
本当にいろいろな予想だにしないケースが多々あります。

フロント変速ケーブルを通すフレームのBBに開いた穴。
これ通常であれば、なんの抵抗もなくワイヤーが入るのですが、
レストアで持ち込まれてワイヤー交換をしようとしたところ、穴にワイヤーが入っていきません。
それまでワイヤーが通っていたので、そんなはずはないんですが。
細い針金をいれてこじってもびくともしない、かなり頑固なつまりです。
想像するに、シートチューブのボトルに入れてある、
スポーツドリンク系の糖分がこぼれて入り、中で固まってしまったんでしょうね。
この手の物は、ディグリーザーやパーツクリーナーでは全く溶解しません。
熱湯とマジックリンが一番有効です。
熱湯にマジックリンを混ぜて、穴に注ぎこみます。
そこでもう一度、針金でギリギリ穴をほじくって、固着してしまった物を取り除きます。

ワイヤー一本交換するのに、こんなに手間のかかることもあります。

リアメカととりつけるワイヤーですが、
この長さのほんの違いで変速性能がかわることがあります。
これはフレーム側の、車軸のセンターとリアディレラーを取り付けるボルトセンターとの距離に関係してくるのですが。
こんな事もマニュアルにはないのですが、
実際にやってみると違いがでる場合があるんですね。

たかが自転車、されど自転車、
原理は簡単なのですが、複雑怪奇、さわればさわるほど奥の深さを感じます。