職人マツナガ通信

9月11日

お尻にピッタリ合ったサドル、
これって永遠のテーマですよね。
BG(ボディジオメトリー)サドルで、
一世を風靡したスペシャライズドですが、
05年モデルには、座骨の幅に合わせて3種類の幅のサドルを出します。
へ~、いいアイデアだなとおもいましたが、
はてさて、じゃあ、どうやってその人の座骨の幅を測るの?
とうい疑問が湧いてきます。
展示会の時に営業のヒトにきいてみたら、
なんか計測器をつくっているようだとか、
はっきりした返事はもらえませんでした。
座骨の幅を測る、お尻型をとる・・・・・・、
なにかいいアイデアがないかなと、
考えていたら、
なんとなく出来そうなアイデアが思い浮かびました。
ちょっと、おもしろそうです。
尻型うまくとれたら公開します。

イタリア就職記 (25)

さて、いよいよフレーム製作開始です。
P氏は最初は、マウンテンバイクのフレームをつくれといってきました。
言われた時は、何も思わなかったのですが、
後からなぜ最初にMTBをつくらせたのかがわかりました。
まずは、設計からです。
ボクはもうこの時には、ポケコン(パソコンが出まわる前にあった数式記憶関数電
卓)に数式をいれて、
フレームの設計をしていました。
P工房は、オーダーのものや始めてのものをつくる時は図面をひき、
そして、定番のものをつくる時には、
なんと各サイズのマスターになるフレームがあり、
それを治具の上にのせて治具をセットしてという方法をとっていました。
まあ、オーダーのような一品物がすくなければこの方法が能率的なんでしょう。
P氏にどんな寸法のMTBをつくればいいのかをきいたら、
P氏が簡単に必要な数字だけをボクにくれました。
この数字をもとにポケコンで設計してみると、
P氏のだした数字はどうしても物理的に不可能なんですよね、
何回やっても同じ結果がでたので、
P氏にこれはつくれないよ、
といったら、ものすごい剣幕でそんなわけはない、
今までもこれでつくっているのだから、
と逆に怒鳴られしまいました。
でも、ボクも無理なものは無理なんだから、
できないですよ、と粘ると、
じゃ、おまえの好きなようにつくれと、
といういうようなやりとりがあったと記憶しています。
むこうも、レーシングバイクなんかないと考えている日本からきた小僧に、
とやかく言われるのが気に入らなかったんでしょうね。
でも、ボクもいい加減な物をつくるわけにはいかなかったので、
譲れないところは譲らないから、
こんな感じの衝突はしょっちゅうでした。